『340プレゼンツに行ってきた』
『340 presents「宮葉祭」』/Naked Loft/5月28日(土)
読売新聞記者、日本特撮党党首・鈴木美潮さん主催のトーク&Liveイベント、
「340 presents」。
特撮番組出演俳優、特撮ソングシンガーを毎回テーマごとに迎えて催される
このイベント、いつも行ってみたい気持ちは山々なれど、なかなか足を運ぶ
ところまではいかずに、遠くでヨダレを垂らしているばかりでしたが、
このたびご縁ありまして、また最近交通の面で東京からの日帰りがし易くなった
こともあり、初めて観覧できることとなりました。
えーと、「340 presents」のレポのルールがよく解らないので、
おそらく差し支えないだろうというところだけ・・・。
(お客さんの殆どは常連の方なようなので解ってらっしゃるんでしょうけど、少数かもですが私のように
初めての者も居るんで、そこらへんのアナウンスもしておいて頂けるとありがたかったです。)
今回の主役、祭られ役の宮葉勝行氏は、20年に渡り、
スーパー戦隊シリーズにおいて「選曲」という仕事をされてる方。
イベント前半では、氏の生い立ち、特撮との出会いから現在の仕事に
至るまでのお話、後半は「選曲」というのはどういう役割を担う仕事なのかを、
また、アフレコ等でのエピソードなどが語られました。
特撮との出会い・・・ということですが、ソフビ怪獣に囲まれてご満悦な幼少の頃の
お写真といい、物心ついた時には既に怪獣大好き少年、という印象。
中学高校は早実で吹奏楽部に所属。運動をしたくなくて入ったのに、中味は
全くの体育会系(ってゆーかほとんど応援団)だったという(^_^;)・・・。
音楽的素地は、この中高の頃の部活経験と、幼少から習っていたエレクトーンで
培われたということ・・・ですが、エレクトーンの経験でコード感は身に付いたものの、
ヘ音記号が苦手、という弱点も告白。
・・・えっと、これは小中高のいつのお話だったかウロ覚えなんですが(^^;)、
(確か中学生くらい?)当時既に、ウルトラマンの8ミリフィルムをかけて
ゴジラの音楽を流してみる、といった遊びをしていたとのことで、
その頃からもう今に繋がってたんですねー。
(因みにその「ウルトラマン」はジラースの回だったそうです。お約束やーんw)
大学に上がると、先輩の高寺重徳氏の誘いで、田崎竜太氏らと共に
特撮サークル「怪獣同盟」を結成。
映画を撮ったり、女の子と遊びに行ったりというサークル活動を展開。
(「女の子と・・・」は「80年代の大学のサークルってそういうものだったでしょ」
だそうです・笑)
同サークルからは塚田英明プロデューサーも出てますから、もう私にとっては
聖飢魔IIを排出したWFS(早稲田大学フォークソングクラブ)と並んで
2大・大大大感謝したい早大のサークルです~。ありがとう~~~!!!
卒業後、2年半ほどサラリーマン生活をするも、上記サークルの縁で
特撮の仕事に誘われ、現在に至る・・・という経歴。・・・なのですが、
選曲家、音響家の宮葉氏が商業特撮に初めて関わった仕事は
怪獣の中味。
・・・ってオモロ過ぎるんですがwww
特撮デビューはスーツアクターだったという(^_^;)
(知る人ぞ知る某ビデオ作品。私もタイトルだけは知ってたけど観たことはない。
当時は観たくても地方のビデオ屋さんには置いてなかったんだよなー。)
ちょっとWiki検索してみたら、これ漫画版はこのご時世じゃ完全NGでしょ、という記述が・・・(汗)
また別の某作品でも、1カットだけ、某ヒーローに入られてるそうです。
(急に合成カットが追加されたための内トラ出演とのこと)
そんなこんなの第一部。ここまでで歌も何曲か披露。
一部二部合わせて数曲(もっとだったかな)。
戦隊のOP、ED、挿入歌や懐かしい特歌など。
インドア派を自称しつつもかなりの声量があり、めっちゃノリノリでの歌唱。
ダンスまで披露しちゃう曲もあったり(!)
いや~、選曲というお仕事って守備範囲が広いんですねえ。(←?)
ご本人いわく「ジャイアンになった気分」だそうです。
早稲田の応援歌を応援団のフリ付きで、というのもありました。
(そういえば、昔デーモン閣下も何かの番組で披露されてたような・・・
何で正規の応援団員じゃなくて門前の小僧的な方のソレばかり見るんだろう?・笑)
第二部は、休憩中に客席に配られた「スーパー戦隊シリーズ 音響講座」の
レジュメを元に、白衣姿で登場した講師・宮葉先生の講義のお時間。
新番組の企画からの、音響面での打ち合わせや作業などを、
各工程の時期と共に解説。
・・・・・と、非常にざっくりまとめて言いましたが(^_^;)、えーと、満載の綿密な
お仕事の内容を解説するうち、お時間となってしまい、結局レジュメの
半分くらいしか消化されませんでした;
そんな宮葉氏の仕事を一部紹介しますと、新番組の準備として、劇伴(BGM)の
作曲家に、こういう場面で使うこういう感じの曲を編成はこんな感じで時間は
何分何秒で・・・という発注を細かく出していく、と。
戦隊は劇伴の録音は年間で2回。第一回では70曲くらいとのこと。
主題歌、挿入歌の打ち合わせ、制作等も年間の仕事に入ってきます。
そうした年間の制作作業と共に、1話1話、各話の放送のための仕事があります。
場面に合わせてBGMを付けていくというのは何となく想像できるところですが、
台詞を含めた音声全体のバランスの調整や、ノイズの除去等の、「整音」と
呼ばれる作業、アフレコでの調整や役者への指示なども。
音声のバランスというところでは、例えば高音と低音のバランスを変えることで、
遠くから聞こえてくる声にする、というような調整もできるんだとか。
(高音と低音どっちをしぼるのか忘れちゃいましたが^_^;)
このあたりで、いくつか面白いエピソードの紹介などありまして、
書いてもダイジョーブそうな(^_^;)ところだけ・・・・・
”戦隊の役者さんの多くは経験が浅いので、いっぱいいっぱいな人が多く、
台詞と一緒にブレスの音が大きく入っちゃったりするんだそうで、
そういう息づかいの音も取り除いてクリアな台詞にしていくのも「整音」の作業。
”ある「赤の人」は、予想できない変化球(アドリブ)を始終投げていて、
また体の動きも激しく、それはアフレコのマイクの前でも同じだったそう。
”エンディングがダンスの場合の撮影時の音出し等も宮葉氏のお仕事。
「マジレン」のEDでは、レッドに入っていた高岩さんが、どうしてもダンスが
ドリフっぽくなっちゃう、ということで苦労されたとか。
”同じシーンでも、どの人物の心情で見るかによってつける曲が変わるという
お話では、このイベント最大の場内大爆笑腹筋崩壊危機が・・・・・
また、主題歌、挿入歌を劇中で使用する場合、実際の映像や台詞と歌詞とを
シンクロさせるなど、単に雰囲気だけの音楽にとどまらせないこだわりの演出も。
(例:ロボのコクピットでアクセルを踏み込むカットに「アクセル踏んで」の歌詞、
キックのカットに「とび蹴り・・・」の歌詞、といった直球なものから、台詞中の
「逆手一文字・・・」と、歌詞の「逆手一文字」を合わせる台詞とのシンクロ。
(そのためにわざわざ1番と2番を部分的に入れ替えたそうです)、さらに、
映像と歌詞とを合わせることでメッセージ性を高めるような演出まで。
(↑これは「ゴセイジャー」の最終回劇中で、OPテーマが使用されたシーンに
あります。そこを意識して観るとまた泣けます。)
そんなこんなの興味深いお話から爆笑エピソード、あとちょっぴり毒まで、
戦隊シリーズ、ヒーロードラマの制作現場を、普段と違う角度から
垣間見させて頂いた、楽しい時間でありました。
映像作品における音楽の果たす役割、また、俳優、脚本家、監督といった
スターなところを、様々な役割で支える人々がいるということを
伝えるお話だったと思います。
内容中心で書きましたが、何より旧知(と思しき)宮葉氏と美潮女史が同い年と
いうこともあってか、絶妙のツッコミと、いいカンジのグダグダ感(笑)の
同級生トークが楽しく、終始大いに笑わせて頂いた次第です。
初めて観覧した「340 presents」。
特撮系イベント自体にあまり参加したことがなかったので、アウェイな感じも
多少ありましたが(やっぱり“悪魔”がホームなモンで・笑)、雰囲気も解ったし、
新宿の方なら行き易いことも解ったんで、興味のあるイベントが組まれたら
是非また行ってみたいなと思いました。(チケ取れればですが;)
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